ほぼ全患者がまず泌尿器科を受診して,そこで診断が下されますが,その後泌尿器科医は,治療法として手術以外に放射線治療があることは必ず伝えなければなりません。伝えた上で希望する患者には放射線科を受診させて下さい。伝えない医師をときどき見かけますが,そのような人は医師失格と言えるかもしれません。最後に次の文で終わっている。
ちなみに,私がもし前立腺癌になった場合は,手術を選択することはありません。放射線治療の中から選びますが,小線源よりはIMRT(または定位照射)か粒子線を選択すると思います。放射線科 | 診療科・中央部門紹介 | 名古屋市立大学病院をみてみる。放射線治療装置はトモセラピー 2台、Varian True Beam で治療を行っている。
芝本氏は医師として、もし前立腺がんにかかったら、手術ではなく放射線治療、それも小線源治療でない治療法を選択するといいきるのは日々実際行っている放射線治療を躊躇することなく選ぶということで潔いと思う。
IMRT治療を行う病院では常勤の医師が2名以上いることが必須 1) なので 芝本氏がIMRT治療を受けるとしたら、自病院で可であろう。
PubMedでShibamoto prostateで検索すると以下の論文が出版年新しい順で1と2ということで見つかった。
1 J Radiat Res. 2018 Dec 19.
2 Int J Clin Oncol. 2018 Apr;23(2):353-360.
1 についてはサイトで竹本氏の論文 名古屋市立大学病院におけるIMRT治療成績と題して紹介した。
2 は名古屋市立西部医療センターの陽子線治療科の中嶌晃一朗氏を筆頭著者とする陽子治療に関する論文である。芝本氏が「粒子線を選択」した場合はこの病院で治療するだろう。
名古屋市立大学 放射線医学分野 入局をお考えの方への研修医施設群、上記以外の常勤医派遣関連施設をみると北は帯広から全国に関連病院が存在する。
芝本氏は「被膜浸潤のあるT3a期以上では,手術と小線源治療は良い適応ではない」と書いているが、高リスクでも積極的に小線源と外照射及びホルモン治療を併用する治療を行っていて推進している医師が高リスクの前立腺がんであることが分かった場合、治療法、病院の選択はどうするだろうか。
トリモダリティ実施病院は多くないで書いたように日本では高リスクに対して小線源治療を行っている病院は少ない。さらにIMRTと異なり病院に小線源治療を行っている常勤の医師 2名以上がいるというわけではないので、自病院で治療を受けることはが難しい場合もあると思われる。
その場合、学会等で各医師の技量はだいたいわかっていると思われるが、小線源治療を希望し、自病院で治療ができない場合は患者と同じようにこれはという病院の医師にセカンドオピニオンを受けるのだろうか。それとも自病院または近隣の病院でIMRTで治療ということになるのだろうか。
1) 第13 放射線治療 高エネルギー放射線治療の施設基準
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