日本放射線腫瘍学会第30回学術大会(2017年11月17日〜19日3日目のシンポジウム 5「最新エビデンスに基づく前立腺癌診療の現状と今後の展望」よりのレポートである。
東京医療センター放射線科の萬篤憲氏の「S5-4 日本人におけるシード治療のビッグデータとハイバリュー」のレポートを興味深く読んだ。ASCENDE-RTのことも紹介し、小線源+外照射+ホルモン療法と高線量の外照射+ホルモン療法を比較し、小線源が優位ということをいい、その他のエビデンスもあげている。
中で気になった文を引用する。
2万5千人のビックデータでも、中高リスク患者に対し、小線源治療と外照射の併用は外照射単独より生存率が有意に良好だが、実施数は低下傾向であることが示された(Johnson S, EU 2017)。full textには「2004年から2012年の間に小線源の利用率が29%から14%に減少した」と書かれている。さらに次の文。
ただ、日本の後ろ向きの研究では、小線源療法による尿路毒性は外照射に比べて多いことが示唆されている(Sutani S, et al. GJ 2015)。そのため「欧米にかかわらず、日本で尿路毒性の問題をどう解決するかが課題」であると萬氏は述べた。筆頭著者の酢谷真也氏は論文を書いた時期は慶應義塾大学医学部放射線科所属であり、現在は東京医療センターの放射線科に勤務されている。
この論文のもととなった臨床研究に関する患者への協力のお願い文をみつけた。
Grade 2以上(G2+と表記)の有害事象に関して尿路系( GUと表記)、直腸系(GIと表記)について以下のように書いている。
従来の放射線療法とIMRTでは、小線源 + 外照射と比較してG2 + GU毒性が有意に低かった。IMRT治療を受けた身としては直腸系の晩期有害事象の発生に気をつけていなければならないといえるが、晩期というのはいつまのでことだろうか。
IMRTにおけるG2 + GI毒性が有意に高かった。
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この記事へのコメント
さっちゃん
がんナビ読みました。
ありがとうございます。
私のブログにもリンクさせていただきたいと思います。
石葉
今朝、ブログの参照記事拝見しました。
日本放射線腫瘍学会第30回学術大会の概要紹介の記事、興味深くブログで紹介しました。