いい病院、いい先生

ネットの意見に流されてで書いたことと重複部分もあるが違った観点で掲示板の狭い池に投げ込まれた石、どのような意図であったかその意匠についても考察し書いてみる。

以前、掲示板に前立腺癌専門医と称する人の投稿が物議をかもしだし、いろいろな投稿があった。それをサイトでpilot studyと題して書いた。
問題となったのはBipolar androgen therapy 「双極性アンドロゲン療法」に関する投稿であった。前立腺癌専門医さんは掲示板を間違えて以下の投稿をした。
A 2015/05/30の投稿
この中で以下のように書かれている。
S医大がどこまでの腕を持っているかは知りませんが、少なくともそのようなかなりの浸潤癌での長期成績はまだ報告されていません。それを患者さんたちがこのようなサイトでどんどん尾びれがついて話をしてしまって、S医科大学まで行かなくてもすむような患者さんまでわざわざ高い交通費を払ってセカンドオピニオンに行くわけですから。
これは掲示板で過剰にトリモダリティに関しての投稿があり、その投稿に影響されてS医科大に遠地からいく人がいるということに対する警鐘であろう。今は違う状況なのかもしれない。病期T3bの患者は20 人(14%)を含む143人の高リスクの患者に対する治療結果の報告の、論文に記載されている5年PSA非再発率95.2%をみる限りそれなりの報告はなされているということはいえる。

医者の立場 さんと称する人のネットの意見? と題した 1月29日の投稿がまたまた掲示板で反響があった。

投稿の中で投稿者はそもそも医者なのかというのがあったが、私はこの投稿があった際、即座にソースをみて大学病院の端末からということは確認していた。そうしてIP name 完全に一致はしないが専門医と称する人の2016年 2月22日の投稿も同じ大学病院からの投稿であることを示している。

何故お忙しい大学病院のそれなりの地位のあると思われる医師がこのような投稿をするのかそれは明白である。あくまでも掲示板におけるO先生に対する賛歌ともいっていい投稿を苦々しく思っているからだろう。あえて刺激的な炎上を意図するかような筆致で投稿したと思われる。

もう少し投稿文を読解してみよう。

最初のパラグラフをみてみる。
ネットの評判で、あの病院のの00先生が良いということを鵜呑みにして、主治医の意見に耳を傾けずに、00先生のところに治療を受けに行く。
そういう患者を元々の主治医が快く思うでしょうか。
わざわざ遠方にまで行かなくても、近くにはそれなりの良い病院があると思います。
前提として主治医が彼の最もいいと思う治療法を提示している。それに耳を傾けずセカンドオピニオンとしてネットで評判の00先生のところへ赴く。(以下掲示板で通常使われているO先生という表記に変える) そのO先生が行っている治療法が現在の日本の他の泌尿器科で行われていない治療ということがこの発言の条件としてある。これだけの条件下に「元々の主治医が快く思うでしょうか」ということをいっている。
真面目に患者に対峙している医師の発言として理解できるものだ。さらに次の文。
万が一00先生のところでトラブルが起こったとき、主治医は快く治療してくれるでしょうか。
別の医者の起こしたトラブルをどうしてもとの主治医が快く治療してくれるでしょうか。
もちろん、医者をはトラブルの起こっている患者をみなければならない義務はありますが、嫌々ながらの治療になるかもしれないですね
前提として主治医からO先生の元に赴き治療をし起きたトラブルを元の主治医の先生にたのむということだ。それはそれでトラブルだけ俺のところへきて(いうこともきかないでO医師の治療をうけて)ということで不快に思うのは当然かと思う。セカンドオピニオンを受けるのは患者の権利であり、転院するのも自由である。転院した患者は元の主治医にとってあくまでも大勢の患者のなかのひとりでその後は関係ないですよというのが当たり前の推移かと思う。
それがトラブルだけお願いということで処置をお願いということならばそれはそれで感情的に面白くないのは当然かと思う。真面目に患者のことを考えて治療法を提示していたならばなおそうだ。

掲示板ではこのような前提を無視し、ジュネーブ宣言をもちだし医師の義務のことを云々する投稿があった。

ジュネーブ宣言引用の投稿
018年1月29日
医師の立場 さんの書いている「医者をはトラブルの起こっている患者をみなければならない義務はあります」から何もジュネーブ宣言に反した治療を行っているわけではなく、治療拒否をしているわけではなく、その際の心情をさらっと書いているにすぎない。

ジュネーブ宣言引用の投稿の最後にはこう書いている。
病院でなく、医師の実績をみて、判断したいですね
これは最初の引用の文の終わり、「わざわざ遠方にまで行かなくても、近くにはそれなりの良い病院があると思います。」に対応するものだ。

一連の投稿の最初のアキラさんの2018年 1月27日の投稿より中間リスクに対しての治療法が問題となっている。「それなりの良い病院」というのはの5年PSA非再発率が95%なのかもしれない。

病院ではなくO先生の実績をみたらということをいっている。それはまだ論文にはなっていない中間リスクに対する小線源単独治療の実績である。よってたつところはO先生の講演の42分42秒付近付近でいわれている以下の言葉である。
前立腺癌は転移がなければ限局癌だとか浸潤癌だとかに関係なくほぼ100%治るべきものです。100%が言い過ぎだったとしたら99か98でいいでしょう。質の高い小線源治療を行えば目標を達成できます。
ここでがん生存率の推移に関する大規模国際共同研究で示した各国の5年生存率の降順の一覧を思い起こす。5年生存率を5年PSA非再発率と読み替え、各国を各病院としたら掲示板でO先生の元へ遠隔地から赴くのはAクラスの唯一しかない病院に距離を考慮せず転院するということに対応するだろう。そのような患者にとって「近くにはそれなりの良い病院(Bクラス)があるということは一顧だにしないのだろう。
数値に関しては愛読者と称する人が1月29日の投稿でこう書いている。
oo先生以外を鵜呑みじゃなく、厳しい事を言わさせて頂きますが、百の言葉よりまず数値を示して頂き
まだ論文として公表されていないO先生の中間リスクのPSA非再発率に関する数値に絶大な信頼をもっているようだ。中間リスクに対して原則小線源単独療法で行うようになった治療に関しては多分学会発表もなされていないと思われる。

私はこのような高望みはしなかった。放射線科の主治医に病院のIMRTの5年PSA非再発率を以下の質問の仕方できいた。「中間リスクは80%ぐらいですか」
先生は明確に違うとももっといいともいわなかったので、まあそんなものだろうと思ったものだ。

サイトの放射線治療で紹介したの寡分割照射の治療結果をしめしたKupelianの論文、Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2005 Dec 1;63(5):1463-8.の中間リスク群93%をみてこれくらいいい値だったらいいんだが、きっと無理だろうと思っていた。さてさて、治療後3年目を過ぎ5年後PSA再発とならないことを切に願う。

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