白い抒情 植田正治の写真

art
植田正治『昭和写真・全仕事 Series10 植田正治』朝日新聞社を読んだ。

私の大好きな「パパとママとコドモたち」を表紙にし、昭和6年にカメラ雑誌に入選した「浜の少年」から「ベス単写真帖 白い風」に至るまでの50年間の集大成を収めた写真集である。

本が大判であることからか、オリジナル志向のせいか、以前はみてあまりいいと思えなかった「少女四態」雲が明確に画面にみえないこともあってか各々の少女の姿態、顔つきの違いに目がいき、明るい少女時代とはいえない4つのフォルムに感動する。

ネット上には例えば展覧会の案内状に載せられているものとしてキヤノン:キヤノンギャラリー|キヤノンフォトコレクション展 植田正治:1939-95がある。

P.71に植田はこういう。
すっかり身についた「作画意識」が、今でも私の写真のなかに顔をだすことがあったり
さらにP.77にはこう書かれている。
撮りたいモノしか撮らない。撮れない。写真することがとても楽しい。おおげさにいえばこれぞ生き甲斐。ハヤリの言葉では、写真こそ生きている証し。
また「童歴」より門の入り口に浮き輪を持った少女と男の子、白い四角を背景にシルエットとして佇む写真はこの世と彼岸の間でしばし休息する平安な夏の日といった趣きで鳥肌立つ。

最後に写真集『白い風』から何枚もの写真が載せられていた。ソフトフォーカスで撮られた写真は絵画のようでもあるが、そこはやはり明確に構成されている。
例えば、新ギャラリー・KKAG開廊記念展「植田正治 べス単写真帖 白い風」に載せられている少女の写真。
彼女はなぜ横を向いているのだろうか。帽子は白く、カバンは赤、植田さんが準備したとは思えないがなかなか面白い。
画面の奥には道路、横を向いているのは帰りたくないのだろうかと勝手に思ってしまう。

腺友倶楽部主催のセミナーにおける岡本圭生氏の講演で書いたように腺友ネット:掲示板の書き込みより少し元気なくしていたが、植田正治写真集を観ることにより元気若干取り戻した気になった。継続して岡本講演について書いていこう。

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