ツッコミどころは多いが、掲示板でのお馴染みのいいかたの源流が岡本氏にあることが明白に分かったということが収穫であり、その詳細は元気がでてくれば書くこともあろう。
何故元気なくしたかというと掲示板でのSANZOKU氏の完治宣言(外照射後2年半)という投稿を読んだからだ。診察後、岡本氏から以下のメールをもらったと書く。
予定どおりに完治宣言ですね医学の領域と違う世界に入った医師と患者に対して何をいっても無駄というか、違う世界の人たちと通じる言葉はないとしかいいようがない。
これで前立腺癌の煩悩はとれたわけです
私が治したのではありません
私という如来の化身が ご加護をくださったのです
とあれ、せっかくみて幾ばくか調べたこともあるので記述を続ける。
講演の動画をみての驚いたことは通常の医師の講演と違い明白に自診療施設の治療成績がいいこと治療のやり方が優れていることをアカラサマに語ることである。大船中央病院の市民公開講座で書いた鶴貝雄一郎氏の講演にも自病院の治療のやり方に対して優位性の言及はあったが、これほど露骨ではない。
滋賀医科大学の寄付講座に書いたように滋賀医科大学 前立腺癌小線源治療学講座が日本メジフィジックス株式会社の寄付講座ということが関係しているのかもしれない。
と、ここまで書いて講演の動画に戻る。
こういう高い治療成績が出せるといった後、二つの論文から引用して説明している。英語であるので日本語に翻訳しての提示である。以下の箇所である。
1.42分7秒付近
2.42分24秒付近
1.で参照されている論文はBrachytherapy. 2017 Jan - Feb;16(1):1-12. 、full textである。
この論文は私の以下のサイトのABSのタスクグループの報告及びABSのタスクグループの報告 その2で紹介している。
2.で参照されている論文はJ Clin Oncol. 2017 May 20;35(15):1737-1743、full textである。
1.の紹介の前に「これはアメリカのガイドラインです」といっているのは如何なものかと思った。American Brachytherapy Society Task Group のレポートである。ガイドラインということである種の権威付けをしているのだろうか。
説明では英語の文を示し、日本語訳が書かれている。Google翻訳ではどうなっているかを以下に示す。
1.原文
However, brachytherapy is highly operator dependent, and excellent quality of life outcomes have been demonstrated from high-quality implants using modern imaging and treatment planning techniques.岡本訳
前立腺癌の密封小線源療法は極めて高度に術者の技術に依存しており、これまで好成績は正確な計画とテクニックに基づく高品質の小線源治療によって達成されてきたことに注意すべきである。Google翻訳
しかしながら、近接照射療法は、操作者依存性が高く、最新のイメージングおよび治療計画技術を用いて、高品質のインプラントから優れたQOL結果が実証されている。operatorは岡本訳の「術者」のほうがいいかと思うがその他はGoogle 翻訳のほうが正しい。
demonstrate を注意すべきなどとどうして訳せるのだろうか。"excellent quality of life outcomes" を「好成績」と訳すのはどうしてだろう。またどこにも書かれていない「極めて」という言葉で修飾している。
いずれにしろ、引用の前の説明を補強するために恣意的に訳しているとしか思えない。
2.原文
Brachytherapy should be performed at a center following strict quality-assurance standards.岡本訳
前立腺癌の密封小線源療法は極めて厳格な品質管理の行われている施設のみで施行されるべきである。Google翻訳
小線源療法は、厳格な品質保証基準を満たしたセンターで実施する必要があります。この場合も書かれていない「極めて」という言葉を補完している。
"quality-assurance standards" は品質保証基準 であり品質管理ではない。
自施設が「極めて厳格な品質管理の行われている」ということをいいたいのだろう。
岡本氏は英語で論文を書いているし上記の英語で書かれた医学誌の論文の文を理解し的確に日本語に訳せないということは考えられない。意図して恣意的に訳していると思う。
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