壇蜜の小説は曖昧に物語を紡ぐ

文學界 2017年9月号に載っている壇蜜『はんぶんのユウジと』を読んだ。
「結婚二ヶ月目で突然死した夫」との出会い(見合い)、別れを決められない主人公を通して描く。
「はんぶんのユウジ」は分骨されたユウジでありその存在をゆるゆると描く。

とはいえ、非日常であった突然死を曖昧であることを言い訳のようにして物語を賽銭を555円あげることで唐突に終える。
賽銭を入れ、じっと手を合わせる。
雨の音の奥に、誰かの話す声がかすかに聞こえた。

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