彩都友紘会病院でのIMRT治療

以前読んでいた前立腺癌 IMRT治療体験記 彩都友紘会病院 (2011/2~2017)を再訪した。
2011年8月に前立腺がんが確定し、年齢が75歳と高齢であることからIMRTで治療を行うことを選択し、彩都友紘会病院へ転院したとのことだ。ページの先頭には以下のように書かれている。
T2aN0M0、Gleason score 4+4=8、PSA 10.148ng/ml
線量は74Gy/37回ということで、そう高線量で治療したわけではない。また、「2012/12/7 放射線治療終了後 9ヶ月。 PSAの値が0.01に落ちた事もあり、リュープリン注射を休止する」ということで
「2011/08/27にカソデックスの服用を開始」し「2012/3/13に最終の照射」なので、そうホルモン治療の期間が長いわけではない。
また、放射線治療装置はVarian社製 Trilogy system である。

改めてIMRT治療を受けた放射線治療 | 医療法人友紘会 彩都友紘会病院のページをみてみた。Varian社製Clinac iX での治療も行っている。

放射線科 | 診療科 | 医療法人友紘会 彩都友紘会病院からリンクされている前立腺癌の放射線治療成績 | 医療法人友紘会 彩都友紘会病院をみる。

2008年2月~2018年6月までにIMRTを施行した466名の患者の内訳は以下のとおり。
 年齢は49歳~88歳(平均72歳)
 高リスク群256名
 中リスク群162名
 低リスク群47名
 不明1名

死亡は466例中7例、5年生存率98.5% 前立腺癌が原因での死亡者無し。

PSA再発は13例(2.8%)で内訳は以下のとおり。
高リスク群10例(3.9%)、中リスク群3例(1.9%)、低リスク群0例

臨床的再発無し
5年PSA非再発率 97.0%

これはかなり好成績である。
学会発表、医学誌の論文などがあればみたいと思うが、検索できなかった。

高リスクの場合のPSA非再発率は明示されていないが、治療法比較3にしめす滋賀医科大 岡本らの論文の以下のデータに匹敵または凌駕する。

高リスク患者 143人
PSA再発 6人(4.2%)
5年PSA非再発率 95.2%

もっともこれは病院のサイトのデータと医学誌に載ったものを比較なので信頼性において本来比較してはいけないものだろうが。

治療法の選択 高リスクの場合_IMRTと小線源を比較してにこう書いた。
高リスクに対して小線源がお勧めの治療とはいえなく、高リスク(特にT3以上、複数のリスク因子をもつ場合)の場合、治療法としてIMRTを選ぶ方が無難である。
彩都友紘会病院の事例はこの記述がそう間違っていないことを示している。

放射線治療部門 | 医療法人友紘会 彩都友紘会病院によると常勤放射線治療医3名、非常勤放射線治療専門医1名、医学物理士1名、放射線治療専門技師2名ということでそれなりの人数での治療といえる。

彩都友紘会病院が特に優秀なスタッフによる治療を行っているかどうかはまったくわからないが、比較的放射線治療装置が新しいもので治療成績がサイトに公開されている例として紹介した。

……2021/06/26 に以下の箇所を修正
・リンクエラーとなっているところを修正
・治療成績の対象年、患者数が変更になっているので、それに対応しての修正

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