ビンテージホルモン療法

CRPC講演会 2016で金沢大学泌尿器科教授の溝上敦氏の講演会の言を紹介した。

昨日、溝上氏を筆頭著者とする興味ある論文をみいだした。それは以下のものである。

Int J Urol. 2017 Aug;24(8):566-572.full text

ビンテージホルモン療法に関しては以下のように書かれている。
It would be acceptable to use vintage hormonal therapy for 1–3 months, and then decide whether to continue it or switch to some other treatment based on the change of PSA, radiographic change and symptoms.
Google翻訳
ビンテージホルモン療法を1〜3ヶ月間使用し、PSAの変化、放射線学的変化および症状に基づいて、それを継続するか、または他の治療法に切り替えるかを決定することが許容される。
ビンテージホルモン療法とは抗アンドロゲン薬交替療法、以前のホルモン治療の薬、例えばプロセキソール、エストラサイトのことをいう。

Googleで"ビンテージホルモン療法"で検索すると、腺友倶楽部の会報 第3号のみが検索結果である。
上記の溝上氏の講演が活字化されたものである。

ビンテージホルモン療法という言葉はあまり一般的なものではない。
なお"ヴィンテージホルモン薬"という検索語では実質ヴィンテージホルモン薬を考える --- Soさんの試みからという記事が主なものだろう。

ホルモン療法、主にLH-RHアゴニスト製剤(ゾラデックス、リュープリン)を投与する方法、抗アンドロゲン薬を服用する方法、両薬を併用する(CAB(MAB)療法)を行った後、「去勢抵抗性前立腺がん」となった場合に以前は行われていた溝上氏のいわれるビンテージホルモン療法を行う医師は今や少ないだろう。新薬、ザイティガあるいはイクスタンジが処方されるということになるだろう。若い医師で臨床経験の少ない医師ならばなおさらだろう。

ビンテージホルモン療法は溝上氏が書かれているように推奨されるのではなくあくまでも「許容される」ということである。

-----以下2017/09/13に追記
Soさんは角さんのブログ、2017年09月08日 の記事のコメント欄で2017年09月12日 19:51 に以下のように書いている。
本日父の定期検診に行って参りましたが、PSAは先月の6.61から8.53に再び上昇しておりました。 悔しいですが期待のプロセキソールは、2か月目で早々に無効です。
「ここまでやったんだからエストラサイトもやらないと納得できないでしょう?との主治医の一言で、あと1か月ダメ元でエストラサイトを試してみる」ということになったとのことだ。さらに薬局では以下のようにいわれたと書いている。
また薬が変わったんですね? この薬も相当レアですよ。
薬局サイドからみるとビンテージホルモン療法薬はレア治療薬ということなのだろう。

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