2017年4月5日に倉敷中央病院で第39回地域がん診療連携拠点病院医療従事者研修集会の資料である。
放射線治療の歴史を辿るところから始められている。
三次元原体照射(3D-CRT)は1980年〜 であり、線量分布が改善されたIMRT は2000年〜 である。さらに、画像誘導放射線治療(IGRT)は2010年〜 ということで、IGRTはまだそう年月はたっていない。
京都大学による初期の前立腺IMRT という写真は興味深かった。うつ伏せになっている患者、放射線治療装置はいかにも古めかしい。
どこかでみたような写真だと思い、ひげの父さんこと武内務氏の体験記を確認する。前立腺がんを患って 24: 退院に載っている写真も同様な治療風景である。
京都大学の治療成績がグラフ表示されていて、二つの論文によるものであることが示されている。
ひとつは溝脇氏の論文で示したInt J Clin Oncol. 2016 Feb;21(1):148-55であり、もうひとつはInt J Clin Oncol. 2016 Aug;21(4):783-90である。
PSA非再発生存率(non-IGRT IMRT)@京都大学と書かれているのでIGRT無しの照射ということだ。
この資料で一等興味ひかれたのは以下の説明が書かれた図である。
MSKCCにおける高リスク前立腺がんに対する高線量IG-IMRT vs. non-IGRT IMRT
- IGRTの導入によって治療成績が改善 -
載っている図はInt J Radiat Oncol Biol Phys. 2012 Sep 1;84(1):125-9のFig. 2cである。高リスクの場合はIGRT IMRT のほうが治療成績がいいという図である。
3年PSA非再発率
IG-IMRT 97%
non-IGRT IMRT 77.7%
低リスク、中間リスクの場合は両者はそう差がない。低リスク、中間リスクでは少々前立腺が動いて照射が正確でなくてもそう問題ないということだろうか。
ブログ村に参加しています。クリックお願いします。

にほんブログ村
この記事へのコメント