サルベージ放射線療法と術後アジュバント放射線療法の比較

手術後のアジュバント放射線療法:adjuvant radiation therapy (ART) と早いサルベージ放射線療法:early salvage radiation therapy (ESRT) を比べた論文を読んだ。
Pract Radiat Oncol. 2017 Mar - Apr;7(2):e125-e133.

1992年から2013年にかけて前立腺癌の術後放射線療法(RT)を連続して治療した患者718人のうち、ARTを受けた男性171人、ESRTを受けた男性230人が対象である。
追跡期間の中央値は以下のとおり。
ART 7.4年
ESRT 8.0年

10年PSA非再発率
ART 69%
ESRT 56%

なお、全生存率:overall survival (OS) は大きく異ならなかった。
(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2012年版には以下のように書かれている。
CQ8  術後アジュバント療法の適応と方法は確立しているか?

期待余命15年以上のpT3N0M0例に対しては,術後アジュバント放射線療法が推奨される。 推奨グレード B
すべての患者に対して術後アジュバント放射線療法が推奨されるわけでは当然ない。

はやい時期での救済放射線療法を行えばいいということはいえるのかもしれないが、術後アジュバント放射線療法と比較し、PSA非再発率に関しては術後アジュバント放射線療法のほうがよかったという結果はどう捉えたらいいのだろうか。受け入れるのはやはり放射線療法の副作用を考えると躊躇するところはあるかと思う。

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