根治的前立腺全摘除術後の生化学的再発に対する救済放射線療法(SRT)は有効な治療選択肢であり、PSA<0.5 ng/mLでの開始が望ましい。 推奨グレード Bこの開始時期に関して興味ある論文をみいだしたので、紹介する。
それはJ Urol. 2017 Mar;197(3 Pt 1):662-668. であり、"Very Early Salvage Radiotherapy Improves Distant Metastasis-Free Survival." と題されている。
1986年から2013年に手術の後、SRTを受けた患者657人が対象である。追跡期間の中央値は9.8年だった。
SRTを受けたときのPSAの値を以下のように3つのグループに分けた。
A:0.01〜0.2
B:0.2より大きく0.5まで
C:0.5以上
10年PSA非再発率
A:62%
B:44%
C:27%
10年非遠隔転移率
A:86%
B:79%
C:66%
10年前立腺がん特異的生存率
A:93%
B:89%
C:80%
かつて、Stish氏の論文__救済放射線治療の開始時期と題してPSAが0.5 ng/mL以下で救済放射線治療を開始した場合とPSAが0.5 ng/mLを越えて救済放射線治療を開始した場合を比較した論文、J Clin Oncol. 2016 Aug 1を紹介した。
10年PSA再発率
0.5以下 60%
0.5 超 68%
10年遠隔転移率
0.5以下 13%
0.5 超 60%
いずれにしろ、遠隔転移とならないためにはPSA再発をした場合、救済放射線治療を受ける場合は速やかに受けたほうがいいということだろう。
PSA再発を防ぐには0.2となる前に開始ということがいいようだが、健康保険による治療可能だろうか。
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