山本真也氏の論文
PCTRFと前立腺がんに立向いでサイトに何らかの形で記載されていてPCTRFに掲載されている論文について書いた。PCTRFに載っていてサイトに書かれていないものに関して、治療法比較3に、滋賀医科大の岡本圭生氏の論文と同じころに追記したがん研有明病院の山本真也氏の論文、Jpn J Clin Oncol. 2012 Jun;42(6):541-7、full textに関して概要を書く。
NCCNリスク分類の高リスクの前立腺がん患者、189人が対象である。
full text の Table 1 には 以下のように書かれている。
T3a 63 人(33.3%)
T3b 22人 (11.6%)
これは治療法の選択 高リスクの場合_IMRTと小線源を比較してで示した比較表でのIMRTでの治療程T3以上の患者の割合は多いわけではないが、滋賀医科大を除く小線源よりT3以上の患者の割合はより多い。
すなわち結構、症状のおもい患者を治療していることが分かる。
さらに高リスクの因子の数と患者数は以下のとおりである。
1:106人
2: 61人
3: 22人
10年PSA非再発率
48.5%
リスクの数による10年PSA非再発率
1:58.5%
2:39.9%
3:22.7%
前立腺癌 診療ガイドライン 2016年版に書いたように「高リスク前立腺癌症例に対しても推奨グレード Bで前立腺全摘除術が推奨される」となっているががん研有明病院の治療成績をみる限り、リスク因子3つを持つ患者に手術は果たして適だろうか。
Firas Abdollah氏の論文
『前立腺癌 診療ガイドライン 2016年版』のページ117には以下のように書かれている。高リスク群に対しては、これまでアンドロゲン遮断療法併用の放射線治療が標準治療とされてきた。一方、高リスク癌の予後は一様ではなく、比較的予後が良好な癌も含まれる。近年RPでも同等またはそれ以上の成績が報告されるようになってきた。この文で参照されている デトロイトのHenry Ford HospitalのFiras Abdollah氏を筆頭著者とする論文、Eur Urol. 2015 Sep;68(3):497-505. 、full textを読んだ。
デトロイト、ハンブルク、ミラノの3病院で2002年〜2013年にロボット支援手術で治療された D'Amico リスク分類での高リスクの患者、1100人が対象である。
full text のをみるとT2c以上の患者は以下のとおりである。
≥cT2c 437人 (39.8%)
T3以上がどの程度なのかは分からない。
10年PSA非再発率
50%
10年PSA非再発率が50%で放射線治療と同等またはそれ以上の成績ということがいえるのだろうか。
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