治療法の選択_掲示板の投稿より

掲示板で ハンドル名 totomod さんという人が2017年4月19日の投稿で前立腺がん確定に至るまでの詳細な投稿をした。その投稿自体には治療法に迷っているとも一言も書いていないが、サイト「前立腺がんに立向い」の歩き方及び当ブログに書いた治療の選択に関する記事を元に次の投稿をした。

totomod さんに 治療法の選択

これは今まで、サイト、ブログにおいていろいろ書いてきたことも元にしたものである。
この投稿の文の「です、ます調」を「である調」に変更し、さらにいささか情報を追記し、書いてみる。

totomod さん は投稿でPSA、GS及び陽性率を明確に書いている。更に2017年5月3日の投稿では病期が判明したと書かれている。

自身のがんの認識

治療法の選択に際しては自分自身の前立腺がんがどのような状況なのかを認識する必要がある。私の前立腺がん chronicleに書いた以下の情報である。
・PSA
・グリーソンスコア(GS)
・病期
・陽性率

GSは足した結果ではなく、例えば、3+4 という形式で認識する必要がある。GS 3+4 と 4+3 は大違いで書いたとおりである。
病期はTNM分類で知ったほうがいい。
さらに、これらの3要素の値を元に低リスクなのか中間リスクなのか高リスクなのかを認識する必要がある。

参考ぺージは以下のとおり。
前立腺がん 検査:[国立がん研究センター がん情報サービス]
前立腺がん 治療:[国立がん研究センター がん情報サービス]

治療において大事にしたいこと

上記の治療にはこう書かれている。
PSA値、腫瘍の悪性度(グリーソンスコア)、リスク分類、年齢、期待余命(これから先、どのくらい生きることができるかという見通し)、患者さんの治療に対する考え方などを基に治療法を選択していきます。
自分に合った治療法は?|わたしの療養手帳 [国立がん研究センター がん情報サービス]が参考になる。
「治療においてあなたが大事にしたいことは何ですか?」という 問に答えるところからはじまる。
自分にとって何が大事なのか、何を優先したいかなどを整理することは大事だと思う。
たとえば、
・近くの病院で治療が受けられること
・自宅からの距離はあまり考えず、遠くても、いい病院で治療を受ける

ノモグラムによる確認

限局がんであるのはどのくらいの可能性なのかノモグラムで確認するのは肝要かと思う。

米国ではWeb上で簡単に使用できるものが公開されている。(MSKCCのツール、Johns Hopkins のPARTIN TABLES)
ブログで二つのツールを私のデータを入力した画像を含め紹介している。

MSKCCの予測ツールを使う
Partin table

最初、使用してみて被膜外浸潤がんの可能性の高いことに驚いた。

PSA非再発率一覧

治療成績の指標として、PSA非再発率がある。PSA非再発率に関しては日本の論文をいくつか調べ、以下のページにまとめた。
治療法比較3

論文として公表している場合はある程度良好な結果が得られた場合が多いかと思われるので、他の病院はPSA非再発率に対してこれらの病院より悪い値であろうかという考えをもつことも可能であかと思う。もちろん、論文として発表していなくても優秀な治療成績をあげている病院は多いかと思うが、主治医にその病院でのPSA非再発率の確認をする際、目安のデータとしての使用も可かもしれない。

小線源治療、IMRT

PSA非再発率だけではなく、被膜外浸潤のことを考慮し、手術を選択しなかった場合は放射線治療の選択となる。

高リスクに対しての小線源治療はトリモダリティ実施病院は多くないに書いたように対応している病院は限られているので、他県に行かざるをえなくなる場合も多いかと思う。

もちろん、それが「自宅からの距離はあまり考えず、遠くても、いい病院で治療を受ける」ということが一等大事にしていることならば、距離はあまり問題にならないだろう。

以前は[国立がん研究センター がん情報サービス]の「がん診療連携拠点病院を探す」で「前立腺がん」を指定して結果を確認すると病院での可能な治療法が表示され、IMRTに関しては各県に少なくとも一つの病院はあることが分かった。
いまはそのページは存在しないので、『手術数でわかるいい病院』特設サイトで書いた週刊朝日ムックサイトのページで確認するかムックを購入して確認するしかない。
あるいはyomiDr.で会員登録し調べるかまたは病院の実力といった冊子を購入し調べるしかない。

それでは技量的なことは分からない。
治療回数を減らす寡分割照射法で少し踏みこんで以下のように書いた。
萬氏が書いているように「リスクを背負う」といったことはなく特に問題ないと思って臨床試験に参加している病院は20病院あり、現時点で臨床試験参加病院はそれなりの技術を持っている病院だとみなすことができると思う。
「がんサポート」の萬氏の記事
参加医療機関は上記の「がんサポート」のページまたは次のページを参照のこと。
前立腺癌IMRT/IGRT併用寡分割照射臨床試験_概要

終わりに

最後に書いた私の参加している臨床試験の参加病院一覧がIMRTに関してそれなりの技術をもっている病院ということは掲示板の滋賀医科大の小線源治療を受けた人たちの治療法がいいということ、施術を行った岡本医師の技量、人柄がいいと過剰ともおもわれる掲示板への投稿の文にはとうてい及ばないがささやかな自分が治療を受けた病院の技量に関する言及だった。

totomod さん が治療を受けている甲信越の大学病院がこの一覧に含まれるかどうかは分からないが、きっと、滋賀へいくよりは近いだろうと思っての一覧提示だった。
しかし、totomod さんは2017年5月28日に書かれている「がん告知後、がん体験者のブログや腺友ネットからの情報収集の中で、S医科大は私に強くインプットされており」という言葉からあるように小線源治療、滋賀医科大を最終的に選択した。

-----以下、2017/06/04に追記
日本版ノモグラムとして資料2 限局性前立腺癌における根治的前立腺摘除術の病理学的病期予測のための日本版ノモグラムのページに表が掲載されている。日本と米国との患者の状況は異なるので日本版ノモグラムを使用すればいいということはいえるかもしれないが、対象の患者の数が日本が少ないということだけではなく、以下の理由から私は日本版ノモグラムを使うことを躊躇する。

Minds医療情報サービス 5.治療総論 1 リスク分類とノモグラムの臨床への応用と注意点には以下のように書かれている。
なお,日本版ノモグラムで用いられている臨床病期T2 は直腸診所見によるものであり,画像検査は考慮していないので注意が必要である。


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