ASCO、Cancer Care Ontario の小線源療法の診療ガイドラインの更新

海外医療情報リファレンスの前立腺がんに対する小線源放射線療法ガイドラインを更新という記事を読んだ。
米国臨床腫瘍学会(ASCO)および Cancer Care Ontarioが小線源療法(内部照射)に関する共同診療ガイドラインの更新したという記事である。
原文は以下のページである。
A.
ASCO and Cancer Care Ontario Update Guideline on Radiation Therapy for Prostate Cancer

この文よりリンクされているBrachytherapy for Patients With Prostate Cancerより以下のページに至る。
B.
Brachytherapy for Patients With Prostate Cancer: American Society of Clinical Oncology/Cancer Care Ontario Joint Guideline Update

海外医療情報リファレンスの記事は日本語であり、そう難しい記述ではない。特に印象に残ったことを以下に引用する。
・患者は、横断的な観点からが好ましいが、偏りがなく、客観的な方法で、すべての治療選択肢(適応となる手術、EBRT、小線源療法、積極的サーベイランス)について説明されるべきである。

・小線源療法を選択した場合、患者は厳格な品質保証基準に従う治療センターに紹介されるべきである。
更に次の記述。
・高リスクの前立腺がん患者でERBTおよびADTを受ける場合、小線源療法によるブースト照射(LDRあるいはHDR)を行うべきである。
この記述のいっていることがいまいちよくわからないので、Aの該当箇所をみてみる。
For eligible patients with high-risk prostate cancer receiving EBRT and ADT, brachytherapy boost (LDR or HDR) should be offered.
Google翻訳では以下のとおり。
EBRTとADTを受けている高リスク前立腺癌患者の場合、近接照射療法(LDRまたはHDR)を提供すべきである。
やはり、このままでは高リスク患者すべてに小線源治療を提供すべきだという記述となる。B.の該当箇所を示す。
For patients with high-risk prostate cancer receiving EBRT and ADT, brachytherapy boost (LDR or HDR) should be offered to eligible patients.
Google翻訳
EBRTとADTを受けている高リスク前立腺癌の患者では、適格患者に近接照射療法(LDRまたはHDR)を提供すべきである。
これならば意味的に理解できる。高リスク患者のうち適格なものに提供すべきということだ。

さらにもうひとつ「小線源療法を選択した場合、患者は厳格な品質保証基準に従う治療センターに紹介されるべきである。」という文のAの該当箇所を示す。
If choosing brachytherapy, a patient should go to a treatment center following strict quality assurance standards.
"should go to"、"行くべき"と書かれていて、それが「紹介されるべき」と翻訳されているのは少しニュアンス違うかなと思った。

Bの記述は次のとおり
Brachytherapy should be performed at a center following strict quality-assurance standards.
Google翻訳
小線源療法は、厳格な品質保証基準を満たしたセンターで実施する必要があります。
このほうがすっきりとして分かりやすい。

いずれにしろ、細かいところを云々しても仕方がないが、小線源治療が第一の治療法とまではガイドラインでいいきっていないことはいえる。

外照射、小線源治療ランダム化比較試験で紹介したASCENDE-RTに関してはBで6 として参照されているが、 (in press) ということで論文はリンクされていない。

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この記事へのコメント

  • さっちゃん

    石葉様
    こんにちは。
    今回も大変参考になりました。コメントもありがとうございます。
    夫はホルモン療法を続けながら、先週(HDR)を終わらせて
    その後20回の外部照射になりました。
    第一の治療法ではないにしても、手術もできない状態ですから
    主治医のすすめでこの治療を受けた事は石葉様のブログを読んでもやはりよかったのだなとおもいました。
    今後も遠隔転移した場所がどのように進行していくかしっかり見ていきたいと思います。
    よろしくお願いします
    2017年04月29日 13:18