CQ3 根治的外照射においてホルモン療法は治療成績を改善するか?
また至適な併用のタイミング、薬剤、期間はどのようなものか?
高リスク症例に対してはアジュバント療法が推奨されるが、80Gy程度の高線量照射では、その有効性は不明確である。 推奨グレードC1
推奨グレードC1 推奨グレードC1 科学的根拠はないが、行うよう勧められる。解説ではP.145にこう書かれている。
高リスク症例に対して70Gy程度までの照射に3年程度のアジュバントホルモン療法を併用することが長期予後を改善させることは明らかであるが、既に実臨床で用いられている74Gy以上の高線量照射を併用した場合の併用期間は今後の課題である。NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン 前立腺癌 2016年 第3版PROS-D 1 0f 2 には以下のように書かれている。
放射線療法の原則
初回治療としての外照射療法(EBRT)
・低リスク群では、75.6~79.2Gyを標準的な分割法で前立腺(±精嚢、本治療の一部として)に照射する方法が適切である。中および高リスク群では、最大81.0Gyの照射によりPSA値で評価した疾患管理の改善が得られる。
・高リスク群および超高リスク群の患者は、併存症との関連で問題がなければ合計2~3年間のネオアジュバント/同時併用/アジュバントADTを受けるべきである(カテゴリー1)。骨盤リンパ節照射を考慮してもよい。MS-1に以下のように書かれている。
カテゴリー1 高レベルのエビデンスに基づいており、その介入が適切であるというNCCNの統一したコンセンサスが存在する。
米国と日本ではガイドラインの扱いが異なる。日本のガイドラインは70Gy までの照射でホルモン治療有無しでのランダム化比較試験しかないということで、推奨グレードC1という扱いにしていて、米国ではそうでないということのようだ。
どちらの扱いが正しいのか私には判断する知見はない。ただ、NCCNガイドラインのほうがスッキリしている。
日本において高リスクの外照射治療においては高リスクに対してある程度長期のホルモン治療併用の治療が標準治療として行われているようだ。
例えば、がんサポート誌のQ&Aで次のように示した。
「がんサポート」誌の患者からの質問に対しての都立駒込病院腎泌尿器外科部長の古賀文隆氏の答え(2015年9月)には以下のように書かれている。
ステージCの標準治療は、2~3年間のホルモン療法+IMRTです。これはどちらかというと米国のガイドラインに沿ったもののようだ。
京都大学医学部附属病院では論文を読む限りではアジュバントADTは行われていない。
治療法比較3の項番、22及び23を参照のこと。
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