金沢医療センターと東京医療センターの小線源治療の比較(高リスク)

高リスクに対する小線源治療長期成績(日本)で国立病院機構 東京医療センターと昭和大学病院の論文により治療成績をみてみた。
国立病院機構 金沢医療センターと東京医療センターの小線源治療の違いについて比較してみる。

論文での比較

治療法比較331_金沢医療センター29_東京医療センターによる比較である。
以下、金沢医療センター を K と東京医療センターを T と書く。
・リスク分類
K D'Amico
T NCCN

高リスク患者における割合
・T3
K 0% なお T2c 3/58 = 5.2%
T 12/100 = 12%

・GS(Gleason score)
K GS≥ 8 47/ 58 = 81%
T GS≥ 8 52/100 = 52%

・PSA
K PSA≥ 20 19/58 = 32.8%
T 不明(未記載)

・ホルモン治療
K
以下のように書かれている。
10人の患者(3.2%)のみがアジュバントADTを受けた
T
以下のように書かれている。
多施設共同研究への登録症例を除き,治療後はホルモン療法を全て終了している.

ちなみに 25_東京大学山本健太郎氏の論文 VMAT治療成績より以下のとおり
T3 51/134 = 38.1%
T4 2/134 = 1.5%

また、2_東北大学は以下のとおり
T3 67/105 = 63.8%

サイトでの比較

金沢医療センター 前立腺がんヨウ素125シード線源永久挿入療法には以下のように書かれている。
*高リスク群(病理学的悪性度、Gleason score≧4+4)と中間リスク群(Gleason score=4+3)の方は、外部照射(45グレイ/25回)の併用が必要です。
東京医療センターの前立腺癌に対するヨウ素(I-125)シード線源を用いた小線源療法の説明 (第14版)のP.5では以下のように書かれています。
最近ではステージC(T3a)であっても、比較的初期のものであれば外照射およびホルモン療法と併用して治療を行っています。

TRIP試験

両病院ともTRIP臨床試験に参加している。
TRIP試験登録病院でTRIP試験に参加している病院を示した。登録数5件以上の一欄表を作成したが、両病院とも入っている。
TRIP試験の高リスクの定義は以下のとおりである。
下記3因子のうち1つでも満たす症例を高リスク群とする
1 前治療CAB開始前のPSA値20 ng/mL超
2 臨床病期T2cまたはT3a
3 中央病理診断のグリソンスコア8以上
T2cの場合は高リスクとなるので、金沢医療センターのようにT3は治療していなくても参加可であったということだ。

東京医療センターはTRIP試験参加者のみが治療後のホルモン治療を行い、金沢医療センターは登録者数5人に加えて、さらに5人がホルモン治療を受けたということになる。

比較してみて

国立病院機構ではじめて小線源治療を開始した国立病院機構 東京医療センターと同じ国立病院機構NO金沢医療センターに関して高リスク患者の治療に関して簡単な比較を行った。
高リスクに対して無条件に小線源治療と外照射の併用治療を実施しているわけではないことが改めて分かった。

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