東京医療センターは10年、昭和大学は9年のデータがある。このことに関しては別途書こうと思う。以下書いていく。
治療法比較3の28の東京医療センター斉藤史郎の論文と29の昭和大学森田將氏の論文をみてみる。なおリスク分類はNCCNである。
東京医療センターの報告では10年PSA非再発率は78.6%である。
「Table 2 患者背景(n=1036)」によると 高リスクの患者は100人、全体の9.6%であり、そう多いものではない。さらにGleason Score が8以上は52人(5.0%)で、T3は12人(1.2%)である。
PSAに関しては中央値が7.7 と書かれていて、分布の詳細は記載されていない。すなわち高リスクの因子であるPSAが8を超える人が何人だったのかは分からない。
NCCNリスク分類における高リスクの定義、「T3aまたはグリーソンスコアが8〜10またはPSA値が20ng/mLを超える」においてさらにNCCN ガイドライン MS-30での定義、「有害因子が複数認められる」場合を超高リスクとしているがその割合も分からない。
書かれていないのは意図的ではないと思うが、必ずしも超高リスクの患者を無条件に受け入れているのではないということが推察される。
藤野邦夫『前立腺ガン 最善医療のすすめ』について その3ー3で東京医療センターの高リスク因子を3つもつ患者を推定した。
昭和大学の報告では9年PSA非再発率は高リスクで92.0%であり、良好である。Trimodality therapyで書いたようにリスク因子2以上の患者の割合も明記している。
さらに図1 生化学的非再発率によると9年2か月過ぎたところでは80%となっている。ただし、10年までは図は作成されていない。(11年9か月ほどで図は終了している)
自身の状態と希望で治療法を選ぶ前立腺がん治療_2:がんナビで滋賀医科大学附属病院泌尿器科講師の岡本圭生氏はこう言っている。
欧米の主要な施設(Prostate Cancer Results Study Group)のデータによると、高リスクの前立腺がんでは手術を行っても10年PSA非再発率は40%程度、IMRTを中心とする外照射では60%であるのに対し、トリモダリティでは90%と高かったことが報告されている。日本において小線源による高リスク患者の治療で10年PSA非再発率が90%を超える場合は現在のところ、存在しないといえる。
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この記事へのコメント
さっちゃん
こんばんは
高リスクに対する小泉源治療で
私の夫が4月に受ける治療が同じかよく似ている治療だとおもいます。
高線量率小線源療法と外部照射の療法の治療になるようです。
まだ3月の診療のときに詳しく説明があるかとおもいます。
ブログ読ませていただいて、期待がわいてきます。