前立腺癌 診療ガイドライン 2016年版

「トリモダリティ」に関して、Googleで「トリモダリティ」を ac.jp ドメインに限定して検索及びトリモダリティという単語で書いた。もう少し、何が私に魔法の療法と思わせたのかを考察するという意味合いで調べた事柄もきちんと書き、さらに追記し、トリモダリティ考と題してまとめた。

最後に日本泌尿器科学会/編『前立腺癌 診療ガイドライン 2016年版』メディカルレビュー社の3者併用療法より引用することで、記事は終えた。

ガイドライン、ざっと読んだだけだが、2012年版との違いなど、きになった部分を以下に比較して書いていく。
推奨グレードの定義
P.2
推奨グレードA 強い科学的根拠があり、行うよう強く勧められる。
推奨グレードB 科学的根拠があり、行うよう勧められる。
推奨グレードC1 科学的根拠はないが、行うよう勧められる。
まずは、3者併用療法から
2016年版 P.167
CQ2 永久挿入密封小線源療法と外照射とホルモン療法の3者併用療法はどのような患者に推奨されるか?
高リスク症例に推奨される。ただし一部にホルモン療法の必要ない患者が存在し得る。中間リスク症例の一部にも適応があるが、明確な基準はない。 推奨グレードC1
2012年版 
CQ6 永久挿入密封小線源療法,外照射併用療法はどのような症例に適応されるのか?
併用療法は高リスク群に適応される。 推奨グレード B
中間リスク群の多くにも適応されるが,有害事象には特に留意して計画を行う必要がある。 推奨グレード C1
2012年版には3者併用のCQはなく、2016年版に明記されたといえる。ただし、永久挿入密封小線源療法,外照射併用療法が高リスク群に適応であり、推奨グレードがBだったのがC1となっている。

次は寡分割照射について、2016年版はP.136にこう書かれている。
CQ1 根治的X腺外照射での至適線量、分割方法、照射範囲はどのようなものか?
低〜中間リスク症例において中程度寡分割照射は通常分割照射の代替として推奨される。 推奨グレード B
中程度寡分割照射とは1回線量が2.5Gy〜4Gy の照射である。

2012年版 記述無し

救済放射線治療
2016年版 P.190
CQ2 根治的前立腺全摘除術後の再発に対し、救済放射線治療は推奨されるか。
根治的前立腺全摘除術後の生化学的再発に対する救済放射線療法(SRT)は有効な治療選択肢であり、PSA<0.5 ng/mLでの開始が望ましい。 推奨グレード B

2012年版
CQ9  前立腺全摘除術後のPSA再発症例には,どのような救済療法が勧められるか?
前立腺全摘除術後のPSA再発症例には,救済放射線療法または救済ホルモン療法が推奨される。 推奨グレード C1
高リスクの手術の適応について 2016年版 P.116
CQ1 前立腺全摘除術が推奨されるのはどのような患者か?
高リスク前立腺癌症例に対しても適応がある。推奨グレード B
2012年版
CQ1 前立腺全摘除術が勧められるのは,どのような患者か?
高リスク前立腺癌症例に対しても前立腺全摘除術の適応がある。 推奨グレード C1


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この記事へのコメント

  • Gettingbetters

    三者併用のアジュバント期間の検証テストは終わったのですが、その報告が数年先との医師の説明でした。
    まだ、決定はしませんが、標準治療の期間内のどこかに設定すると思います。放射線治療の結果が見えませんが、執行猶予期間の数十か月として、毎日を大切に生きたいと思っています。
    2016年12月25日 20:43