日本でのIMRTは、2000年に千葉県がんセンターで初めて導入されたということだ。3/3には次のように書かれている。
幡野先生の強い意志といくつかの幸運が重なって、日本で初めてIMRTに取り組むことになりました。Japanese Journal of Endourology Vol. 28(2015) No. 2の「特集3:連載“長期成績”─ⅩⅢ.前立腺癌の局所療法の長期成績─」と題された特集において幡野氏は放射線治療「IMRT」という記事を書いている。私に関係する記述として以下のことに注目した。
中リスク群においては5年の生化学的無再発生存率はほとんどの施設が80%程度の成績を報告している放射線治療において私の参加した臨床試験と同じ線量、回数のKupelian PA et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2005 Dec 1;63(5):1463-8.から5年PSA非再発率を引用した。
中間リスク群93%
この結果はいい場合であり、幡野氏のいう日本での治療成績の報告ぐらいと思っているのが無難だろう。
さらに、VMATで倉敷中央病院の資料によりVMATの利点について書いたが、以下のように幡野氏は書いている。
IMRTには現在様々な手法がある.従来から行われてきたStep and shoot法,Sliding window法,Tomotherapy法,Volumetric Modulated Arc Therapy(VMAT)法などである.ここでは詳細について述べることはしないが,最近では,より短時間で,効率的な照射が可能なVMATによる治療が増加している.院長ご挨拶・スタッフ紹介 | 東京ベイ先端医療・幕張クリニックをみると医学物理士、2名及び診療放射線技師、1名が 千葉県がんセンターに勤めていたようだ。院長挨拶の以下の文はそのことを伝えている。
平成25年12月に開院いたしました。特にIMRTに関しては日本で初めて強度変調放射線治療 (IMRT)を開始したスタッフを中心に行って参ります。これまでのがんセンターや大学病院では難しかったきめ細かながん医療の提供を目指し、初診に十分 な時間をかけ、患者さん、ご家族が納得できる医療を医師だけでなく、看護師、医学物理士、診療放射線技師とともに一緒に考えていくチーム医療に重点を置い てまいります。きめ細かながん医療ががんセンターや大学病院では難しいというその理由は私には分からない。
2013年以降千葉県がんセンター、若干体制上、弱体化したことはいえるかもしれない。
……2023/01/03に追記
幡野氏は現在、千葉徳州会病院に勤めている。
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