救済放射線治療 その2

救済放射線治療でサイトに書いた記事に関して書いた。

先日、Yahoo! JAPANで検索語、"前立腺 EPE RM" で私のブログの記事、前立腺癌取扱い規約 第4版 ...浸潤進展度の表現に辿りついた人がいた。

この検索語で救済放射線治療に関する次の論文にいきついた。
南村和宏他 京都大学 泌尿器科紀要 (2013), 59(8): 485-489

この論文が参照している救済放射線治療に関する論文、さらに今までサイトで紹介した論文他に関してまとめてみる。
なお、5.はサルベージ放射線治療で紹介したものである。

1. 寺井章人 2005年
2. 和田崎晃一 2007年
3. 波多野浩士 2012年
4. 南村和宏 2013年
5. 溝脇尚志 2015年

治療を実施した病院、患者数とPSA非再発率を以下に記す。

1. 倉敷中央病院 37人 3年PSA非再発率 74% 5年PSA非再発率 54%
2. 広島大学病院 42人 3年PSA非再発率 61%
3. 市立池田病院 28人 3年PSA非再発率 81% 5年PSA非再発率 74%
4. 横浜市立市民病院 32人 5年PSA非再発率 73.8%
5. 38病院 186人 5年PSA非再発率 50.1%

PSA再発の定義
1.Biochemical failure after RP was defined as a PSA level of ≥ 0.1 ng/mL at two consecutive visits
3.PSA 再発を PSA 0.1ng/ml 以上,またはnadirからのPSAの3回以上の連続上昇
4. 術後PSAが0.2 ng/ml未満に低下しない場合は手術日を再発日とした.前立腺全摘術後のPSA再発をPSA 0.2 ng/ml以上と定義
5. The cut-off PSA value for PSA failure was defined as 0.2 ng/ml

救済放射線治療開始時期のPSA値とPSA非再発率
1.
次のように書かれている。
37人中34人(92%)の患者はPSAが ≤ 0.5 ng/mLで開始した。
さらに、full textの図1で以下のように説明していて図より明らかに0.15以下の場合がPSA非再発率は良好である。
B, stratified by PSA level before RT; ≤ 0.15 ng/mL (21 patients, green) vs > 0.15 ng/mL (16 patients, red).

2. 
3年PSA非再発率
≦ 0.5 ng/mL : 93%
> 0.5 ng/mL : 29%

3. 
Fig.2 の(b)で 0.24未満と 0.24以上のPSA非再発率を図を示し、以下のように書いている。
自検例では,救済治療前 PSA 0.24ng/ml 未満の群において PSA 非再発生存率が有意に良好であり,救済治療前 PSA 0.24ng/ml以上がPSA2次再発の有意な危険因子であった.救済治療前 PSA が低く,腫瘍量が最小限であるうちに救済放射線療法を行うことによって高い治療効果が得られる可能性が考えられた.

なお、28人中16人に内分泌療法を併用

4. 
5年PSA非再発率
< 0.5 ng/mL : 92.3%
≧0.5 ng/mL : 33.3%
論文の終わりには以下のように書かれている。
救済放射線治療はPSA再発後早期に施行するのが望ましいと考えられる.特に低分化癌や局所進行性の癌は術後再発する事を念頭におき,早期に放射線治療に入れるよう経過をみる事が大事であり,今後さらに症例を重ねて検討する必要がある.
5.
5年PSA非再発率はPSAが0.3以下で開始した場合は57.5%であり、PSAが0.3より大きい値で開始した場合は40.5%だった。
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