京都大学医学部附属病院 病理診断科の以下のページにたどりついた。
・前立腺
記載例であり、英語表記でいまいち意味が判然としなかった。
前立腺がんガイドブックのtopページの写真に掲載されている『泌尿器科・病理・放射線科 前立腺癌取扱い規約 第4版』金原出版を県立図書館より近くの市立図書館経由で借り出し、ぱらぱらと読んだところ、P.74に記述されていたので、以下に紹介する。各々の記号表記の次に"x"を追記したものは判定しえないという意であり、以下の記述では省略する。
6) 癌の浸潤進展度の表現
癌浸潤進展度は癌の最先端部をもって次のように表現する。
(1)前立腺癌進展(extraprostatic extension)
EPE0 癌が前立腺内に限局する
EPE1 癌が前立腺周囲組織に進展する
(2)切除断端における癌浸潤(resection margin)
RM0 癌が切除面に存在しない
RM1 癌が切除面に存在する
(3)リンパ管浸潤
ly0 リンパ管浸潤を認めない
ly1 リンパ管浸潤を認める
(4)血管浸潤
v0 血管浸潤を認めない
v1 血管浸潤を認める
(5)神経周囲浸潤
pn0 神経周囲浸潤を認めない
pn1 神経周囲浸潤を認める
(6)精嚢浸潤
sv0 精嚢浸潤を認めない
sv1 精嚢浸潤を認める
7) 所属リンパ節転移についての表現
n0 所属リンパ節に転移を認めない
n1 所属リンパ節に転移を認める
各々の場合に写真が載せられているが、これも仔細を認識することはできない。
ただ、図8 の高度前立腺上皮ない腫瘍(高度PIN)の写真は特異である。「細胞は円柱状で重積しており、核には異型がみられ、核小体が目立つ」と説明されている。
被膜外浸潤に関する以下の記述は新しい知識だった。
病理学的事項では被膜外浸潤ではなく、EPEとし前立腺外へ進展した場合がEPE1とし、pT3aとなる。前立腺には真の被膜は存在しないが、密な平滑筋繊維を前立腺の境界の判定に用いる。さらに次の記述も参考になった。
RM1は欧米のmargin positiveに相当する。すなわち、癌が前立腺周囲の軟部組織に進展していても切除面に達していなければRM0となる。したがって、EPE1であっても、前立腺とともに切除された結合組織内に癌が留まり剥離面に露出していなければRM0である。RMの状態はpT 分類に影響しないが、予後には影響するので付記する。
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