治療後の「後悔」について

朝日新聞デジタルの記事によると米国大統領選の共和党候補トランプ氏は発言を後悔しているという。CNNをみると確かにこのように発言している。
I regret it. And I do regret it
しかしその後で以下のように付け加える。
But one thing I can promise you is this: I will always tell you the truth.
本当に後悔しているのかな。

といってことはさておき、Gettingbettersさんのブログ記事(削除されたか今はアクセス不可)を読みちょっと面白かったので、元のクイズのページにアクセスした。

限局性前立腺癌で後悔度の高い治療法は?|m3クイズ

「m3クイズ内の無断転載・無断利用を禁じます。ご注意ください。」と書かれているので、転載は控えるが、「限局性前立腺癌の治療法の中で後悔度の高いもの」を4択から選ばせるもので医療従事者サイトのクイズだ。
ユーザ登録は医療従事者しかできないようだ。

医療従事者ではないが、回答してみようと思い、"regret" を検索語の一つとしてGoogle Scholar で検索し、次の論文をみつけた。

1) Cancer Invest. 2007 Sep;25(6):449-57.

筆頭著者のDiefenbach MA 氏は藤野邦夫『前立腺ガン 最善医療のすすめ』について その6-2で言及した Mount Sinai 病院のStone氏と同じ所属だ。

793人の患者に対して、6か月後、12か月にアンケートをとった結果であり、手術が外照射、小線源に比べて後悔が増すという結果になったとのことだ。

この論文の結果からだけだとクイズの答えは手術となる。

もう少し長期の結果ということで、次の論文をみつけた。

2) N Engl J Med. 2013 Jan 31;368(5):436-45.

外照射と手術の長期的な尿、腸、および性的機能を比較した論文だ。
尿失禁に関しては2年、5年では手術のほうが、外照射より高いが15年たつと尿失禁のオッズに有意な差はないとのことである。
また、勃起不全に関しても手術が2年では高いが5年たつと有意差はないと書かれている。
短期での後悔ということでは手術したことで後悔が多いかもしれないが、時間がたつとそう差がないということだろうか。


後悔に関してのシステマティック·レビューの論文として以下のものがある。

3) Psychooncology. 2015 Sep;24(9):1002-11. full text

full text をみると論文 1) もTable 2. の一覧表に掲載されている。
この論文を熟読して先のクイズに答える元気はとてもない。
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この記事へのコメント

  • Gettingbetters

    トランプは好きではない。しかし、本音を言うから市民から賛同される。
    But one thing I can promise you is this: I will always tell you the truth.
    実は話していることは、ほとんどの場合、みんなが思っていることの大便だ。人間は思っていることを言うとたたかれるような社会に生きていますね。偽善の正義と正直な悪態。どちらが真実か。。。((+_+))
    2016年09月04日 15:34
  • Gettingbetters

    字間違えました 代弁(´・_・`)
    2016年09月04日 15:38