「前立腺がんガイドブック」について 断端陽性

川野さんのブログの記事、再発の可能性にコメントした。
私のブログにそのまとめといったものを書いておこうと思う。

川野さんはまず、全摘除術後に再発した前立腺がんという記事へのリンクから文をはじめている。

この記事は「前立腺がんガイドブック」という記事の一部である。この記事はひげの父さんこと武内務氏(以下T氏と書く)のサイト、腺友ネットの一部であり、あくまでも個人サイトである。

断端陽性はニアリーイコールで再発

T氏は2014年9月23日(火)NHKエデュケーショナル主催で開催された前立腺がんフォーラム「もっと知りたい! 前立腺がん ~あなたに合った治療の選択~」でテレビで放送された録画の57秒ぐらいからの発言で以下のようにいっている。
実際に術後で断端陽性と一番下に書いていますけれども、手術でちょと取り残しがあった率ということなんですけれど、取り残しがあると非常に再発のリスク、ほぼニアリーイコールで再発してしまう。
さらに2014年9月20日(土)開催「もっと知ってほしい前立腺がんのこと 2014 in 東京」では次のようにいう。
断端陽性は切った後がん細胞がみつかったということで、はっきりいえば取り残しがあったということです。これほぼ、ニアリー イコールですけど、再発です。

断端陽性に関しての掲示板でのやりとり

私はこの「断端陽性ならば、ニアリー イコール再発」という言辞が極めて疑問であり、そのエビデンスをきいた。
なお、私はハンドル名、眞で掲示板に投稿してきた。
2015年2月11日09時28分2秒の私の投稿で録画の発言部分を提示してこう質問した。
「断端陽性、ほぼ、ニアリー イコールですけど、再発ですよね」

このことを裏付ける論文、学会発表を教えてください。
この質問にこう答えている。
2015年2月11日11時33分48秒のT氏の投稿
断端陽性ならニヤリーイコールではなく、イコールではないか? という意味でしょうか。
 >このことを裏付ける論文、学会発表を教えてください。
このことだけに触れた論文があるかどうかどうかは知りませんが、断端陽性で、ホルモン療法をしなくとも、PSAが一定値以上は上がらない状態が継続することもあるというのは、専門医の間では、ほぼ常識だと思いますが。
そう言う事例もあるので、ニヤリーを付けたわけです。
みごとにはぐらかして、間違えようもない質問を「断端陽性イコール再発」と読みかえ、それの裏付けとなる論文という質問に変換し、専門医の常識という検証しようのないことでの反論、これは芸としかいいようがない。そこでこの投稿をふまえ私は「前立腺がんガイドブック」の修正の提案をした。

「前立腺がんガイドブック」の修正経緯

「前立腺がんガイドブック」の間違いを指摘して修正した掲示板のやりとりは以下のとおり。
1.2015年2月11日13時59分32秒の私の投稿
2.2015年2月12日02時34分16秒のT氏の投稿

「前立腺がんガイドブック」の全摘除術後に再発した前立腺がんは現状以下のように記述されている。
「全摘除術の後で次のようなケースが生じた場合には再発とみなされます。」と書いた後、(1),(2)の場合を記述し、その後に以下の補足の説明をいれている。
手術時に採取した標本が断端陽性を示した場合(取り残しがあった証拠)には、概ね、いずれ再発に至ることが予測されます。
以前の版には「再発とみなされます」という文の後に(1)として次の文があった。
手術時に採取した標本が断端陽性を示した場合(取り残しがあった証拠)
これは断端陽性ならば100%再発であるという文である。1.ではこの事実を指摘し、2015年2月11日11時33分48秒のT氏の投稿と矛盾するので修正したらどうかという私の提案だった。T氏の書いたことを再掲しよう。
断端陽性で、ホルモン療法をしなくとも、PSAが一定値以上は上がらない状態が継続することもあるというのは、専門医の間では、ほぼ常識だと思います
さすがにこれは100%矛盾なので2.では私の質問の仕方が不明確だったと指摘した後、次のように書いている。
「前立腺がんガイドブック」の再発条件の表記に関しては眞さんのご指摘はもっともだと思いますので、以下のような文章に改めました。
『手術時に採取した標本が断端陽性を示した場合(取り残しがあった証拠)には、概ね、いずれ再発に至ることが予測されます。』
http://pros-can.net/01/01-4.html#201
他にも誤りと思しき点が見つかりましたら、ご指摘をいただけると幸いです。
これ以上、指摘しても仕方ながないので、もうコメントはしなかったが、T氏は決して「断端陽性ならニヤリーイコール再発」という主張を取り下げたわけではない。NHKで録画され、放送された「前立腺がんフォーラム」での発言が間違っていたなどというはずはない。泌尿器科医が何人も同席している場での発言である。
「概ね、いずれ再発に至ることが予測」というのは例え断端陽性の再発率が50%でも概ねであり、ニヤリーイコールなのである。

泌尿器科医の常識

私も泌尿器科医の常識を書いてみよう。それはロボット支援手術 昭和大学における導入で紹介した「前立腺癌に対するロボット手術」という表題での昭和大学の深貝隆志氏の講演からの発言だ。
根治療法は,主に手術と放射線療法ということになっておりまして,特に若い人に行けば行くほど,前立腺の手術,前立腺全摘出がメインになって行くということになっております.

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この記事へのコメント

  • サラリーマン

    物事の捉え方 進め方にサラリーマンとしてかなり共感します
    より真実に近い情報の選択眼は大切ですね
    2016年08月20日 08:41
  • 石葉

    コメントありがとうございます。
    このやり取りがあった時点で、掲示板への書き込みをやめればよかったのですが、医学的真実に関心のある方がいらっしゃると思い続けました。

    今は、サイトも掲示板も新規の書き込みは休止状態です。
    2016年08月20日 13:05
  • サラリーマン

    私は 探求 探究 のポリシーとして正しいと思います。
    2016年08月20日 13:44