・中高リスク症例にも併用療法で優れた治療成績 前立腺がんの小線源療法
その後、上記の記事に名前がでているを森田將氏を筆頭著者とする「泌尿器外科」に載った論文をTrimodality therapyで紹介した。
小線源治療を推進している深貝氏がロボット支援手術に関して講演していた。
第 24 回昭和大学学士会シンポジウム 「最先端医療における手術支援と低侵襲性手術」での「前立腺癌に対するロボット手術」という表題での講演だ。
以下のように話されている。
根治療法は,主に手術と放射線療法ということになっておりまして,特に若い人に行けば行くほど,前立腺の手術,前立腺全摘出がメインになって行くということになっております.昭和大学においても若い人に対してはどちらかというと手術を勧めるということだろうか。長く時間がかかるという話も気になるところではある。小線源治療と思ってきた患者にロボット支援手術の話をするので、時間がかかるのだろうか。
実は,私自身,今日はダヴィンチの話をするんですが,もう 1 個,放射線治療の,この小線源治療という治療に,ずっと携わっておりまして,最近では患者さんに,どちらを選択するか,お話する時は,非常に長く時間がかかるということになっております.
機種に関してはこういっている。
昭和大学は,このダヴィンチ Si という機種が入っております.残念ながら,実はもう今年の春(2015年)には,もうダヴィンチ Xi という新しい機種も出て来ております.何といっても導入の経験の話が興味深かった。
2013 年の 6 月に機械が入ったのですが,手術開始までにトレーニングをしなければならないことになっております.トレーニングのステップは,非常に固く決められておりまして,コンピュータ試験のCBT みたいな,オンライントレーニングから始まって,あと,機械のセッティングの仕方を憶える,オンサイトトレーニング.あと,自主トレというのが,辛いんですが,泌尿器科では 20 時間ほど,機械を,いろんなおもちゃみたいな器具を動かしたりして,トレーニングをしなければいけないことになっています.さらに次のように続いての訓練。
あと,豚のお腹で手術をするオフサイトトレーニングに参加.次に,実際に,達人たちがやっている手術の見学.われわれは,東京医大の先生のところに見に行きました.最後に手術する,10 日ぐらい前に実際に模擬患者さんを使って,シミュレーションを行い,初症例に到達するという手順でした.この間に 3 か月ぐらいかかりまして,2013 年の 9 月 30 日に,第 1 例目の手術を行いました.手術数に関しては次のようにいっている。
われわれは現在まで,64 例ほどやり,少し時間はかかっておりますが,幸いなことに,大きなトラブルはなく,順調にやっております.深貝氏が施術しているビデオをみせての講演が続いたようだが、残念ながら、動画は公開されていないようだ。説明の言葉が結構生々しい。例えば、次の描写。
この非常に出血しやすいサントリーニの静脈叢の切断です.ここもバシバシ切ってるんですが,ここからすごい出血するんですが,ここを,無作為に容易に切断できます.質疑応答の時間にAdvantageを次のように説明している。
私は,腹腔鏡の手術ももちろんやってて,腎摘とかやってたんですが,前立腺癌に関しては,非常に難しくてできなかったんですが,ダヴィンチを使うようになったら,これが現実的にできるようになってということは,非常に,内視鏡の手術の裾野が広がるという意味で,先生方みたいに達人じゃなくてもできるようになる手術ということで,私は非常に買っております.この言葉は全国に急速にダヴィンチが普及していく理由を端的に説明している。
昭和大学とほぼ同じ時期、平成25年(2013年)7月17日に同じ機種、「ダ・ヴィンチSi」を導入した高松赤十字病院の300例の実績 ダ・ヴィンチSiによる前立腺がん手術というページをみた。手術数については以下のように書かれている。
これまでに300名の方がダ・ヴィンチSiを使用したロボット支援腹腔鏡前立腺手術によって、前立腺がんの手術治療を終えています(2016年4月6日時点)。数的には従来、小線源治療を積極的に行ってきた昭和大学と比べると格段に多い。
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