中-高リスク前立腺がんの放射線治療 小線源併用がいいとはいえない

外照射と小線源を併用した場合は、外照射単独での線量増加では達成できない生物学的効果線量(biologically effective dose;BED)が得られるとされるため、治療に関して単独よりは優位であるという考えがある。

もちろん、高リスクに関しては藤野邦夫『前立腺ガン 最善医療のすすめ』について その7に書いたように現実問題として日本において実施している病院はそう多くはない。

NCDB (National Cancer Data Base)のデータを用い、2004年から2006年の患者20,279人を解析した論文 1) を読んだ。

結論には次のように書かれている。
外照射と小線源治療を併用した場合は外照射(75.6 Gyから81Gy)と比較すると中間および高リスク前立腺がん患者の死亡リスクの低下に関連することを観察した。
しかしながら、外照射の線量を79.2 Gyから81Gyを使用した場合はこの関連は、もはや有意でなかった。
このことは単純に併用の治療が生存率がいいといえないということをいっているのであって、PSA非再発率に関しては何もいっていない。

1) J Urol. 2016 May;195(5):1453-8
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