救済放射線治療 その1

前立腺がんに対して手術を行った後、PSA再発となった場合は、救済放射線治療を行なうか、ホルモン治療を実施ということになる。

サイトで書いた救済放射線治療に関して「前立腺がんに立向い」の歩き方3で「サルベージ放射線治療」と題して書いた。

日本の場合の論文 1 Miyake M et al. Radiat Oncol. 2014 Oct 20;9:208 及び 2 Mizowaki T et al. J Radiat Res. 2015 Jul;56(4):750-6を紹介した。
5年PSA非再発率は以下のとおりである。
1 38%
2 50.1%

本日、救済照射にホルモン治療を追加と題して救済放射線治療単独治療群(RT単独群)と救済放射線治療に短期ADT併用群(RT+ADT群) 単独群と同様の照射に加えゴセレリン(商品名 ゾラデックス)10.8 mgを放射線治療開始日および治療3か月後に投与するという二つの治療法を比較したランダム化比較試験の結果を報告した論文、Carrie C, et al. Lancet Oncol. 2016 Jun;17(6):747-56. の概要を紹介した。

5年PSA非再発率
RT単独群 62%
RT+ADT群 80%

このことより、「合理的な選択肢として考えることができる」ということでabstract は終わっている。
明らかにホルモン治療を併用したほうの結果がいいのでこのような結論も納得である。

フランスの43施設、計743人に対するエビデンスレベルとして高いランダム化比較試験の結果である。

論文 2 はJapanese Radiation Oncology Study Group (JROSG)のデータベースによる解析である。
full text をみると
38施設での371 人 に対してサルベージ放射線治療単独の186人が対象でホルモン治療併用した151人(40.7%)は除かれたということだ。

日本では結構ホルモン併用が多いようだが、その治療成績を知りたいと思う。
フランスでのような顕著な結果の差異はなかったのだろうか。
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