新刊(2016年4月30日第1刷発行)、上野直人『一流患者と三流患者-医者から最高の医療を引き出す心得』朝日新聞出版を読んだ。自身、がんになり、狼狽したと正直に書く上野氏が患者を3分類し、正しく対処し納得のいく治療をうけることを可能とするのに大事なことを具体的にあげた本である。
米国と日本の違いを示したP.36の記述は興味深かった。
日本の病院では、診察の最後に「お大事に」と言われることが多いものです。dot.(ドット)|朝日新聞出版のサイトにこの本の紹介が日本人の9割は2流? “患者格差”はどこで生まれるのかと題された記事があった。よくまとまった記事である。一流、二流、三流患者とはどのようなものかはこの記事を参照ということで、引用はしない。
しかし、アメリカでは「Bye(さようなら)」の前に必ず医者に尋ねられることがあります。
それは、「Any questions ?(他に質問はない?)」です。
風邪のように軽い病気であっても、必ず訊かれます。質問すること、質問されることが当たり前なのです。
そんな日ごろの病院とのかかわり合いが、患者さんの「日米格差」につながっていると考えられるのです。医者の言うことを聞くだけではなく、患者さんが医者にコミットするのが、アメリカでは当たり前なのです。
P.123~P.127の「インターネットで知識武装する」という項は参考になった。私もよく使っているGoogle Scholar、PubMedについて書かれている。P.124~P.126にはこう書かれている。
インターネットの情報って本当にアテになるの?」さらにP.126の次の文
と思うかもしれませんが、今や医者である私たちも日々ネットで最新医療情報をキャッチアップしているのが現状です。
とくに「Google Scholar」といった学術系の検索サイトは、重宝しています。ネットの素晴らしいところは、こういった学術系の検索サイトにも一般の誰もがアクセスできるという点です。
ご存じのように情報はある特定の情報源ではなく、複数の情報源にあたることで精度が増しますので、まずは「検索しまくる」スタンスでOKです。そのうえで、疑問点を主治医にぶつけてみましょう。P.161に書かれている以下の薬の情報をすらすらといえるのはなかなか難しい。
「検索でこういう情報が出てきたのですが、いかがお考えでしょうか」と。
服用している薬の商品名、一般名、開始日、終了日(予定日)、用法(服用頻度)1回の用量、その薬を服用する理由
厚切りジェイソンではないが、Why ということは大事だろうが、私は明確にきくこともなく、主治医とのコミュニケーションもうまくいっているとは思えない。
私は2流半の患者だろう。薬を服用する理由を明確にいえるとはとても思えない。
P.171の文は大切な指摘だ。
これまで医者への質問の大切さは何度も述べましたが、「医者にきちんと自分のことを説明できる」ことも同じく大切なのです。-----以下2016/07/01追記
参考 医者に任せっきりの「二流患者」は損をする | ブックス・レビュー | 東洋経済オンライン
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