結果として分りにくいものとなったのは事実である。
その中で一等、私自身に関係すること、前立腺が動く臓器であり、外照射は必ずしも正確な照射ができないという藤野氏の執拗な論説に反論する文を前立腺が動くことに関しての外照射の精度と題して3月24日に投稿した。
これはブログの藤野邦夫『前立腺ガン 最善医療のすすめ』について その2 - 前立腺が動くから外照射は不正確?とサイトのIMRT/IGRT併用に対する前立腺の動くことの影響との文をまとめた文である。ただし、2014年8月25日投稿に関しては、発言者の名前を書かず、「といわれています。」という形で書いた。
予想どおり、反応無しだった。
『前立腺ガン 最善医療のすすめ』を読んで、一等、脱力感におそわれた件、臨床試験番号の間違いとStone氏の講演との類似に関して、藤野邦夫『前立腺ガン 最善医療のすすめ』とStone氏の講演の類似と題して投稿した。
これはブログ、藤野邦夫『前立腺ガン 最善医療のすすめ』について その6-2 恣意的な論文の引用と藤野邦夫『前立腺ガン 最善医療のすすめ』について その6-2 補遺 論文の発表年はあっていた及びサイトのRTOG、RTOG...正しい番号判明をまとめた文である。
できるだけ分かりやすく書いたつもりだが、ブログのように藤野さんの文がStone氏の講演を元にしたものだとまでは言い切ることはなく、「藤野氏の表現を盗作、あるいは剽窃とよんでいいのか私にはわかりません。」と書き、剽窃の定義を「Wikipedia:剽窃」より引用した。
本件に関してはこの投稿を読むと途中の探索過程などは書かれていなくて少しは読みやすいかもしれない。
この文を書いている過程で藤野さんがStone氏の講演の記述に依存していることが新たに分かったので、ブログにも再度、その事実を書く。
Stone氏の講演記録
前立腺全摘除術 + 補助放射線療法藤野氏の著作
Memorial Sloan Kettering Cancer Center(MSKCC)のDr. Michael Zelefskyは、中間~高リスク前立腺癌の場合、放射線療法の線量を上げるほど(最高で81Gy)優れた結果が得られることを明らかにしています。しかし81Gyであっても、まだ12%の患者では前立腺癌が残存していました(図7)。つまり、この限局性疾患の全てを根絶するには、81Gyでは不十分だったのです。
P.149~P.150藤野氏はP.150で先にあげた引用の文の後にこのように書いている。
アメリカのメモリアル・スローン・ケタリングがんセンター(MSKCC のDr.マイケル・ゼレフスキーは中リスクと高リスクの患者を対象に 最高で81グレーを照射しても、12%の患者に前立腺ガンがのこったことを、2001年に明らかにした。
MSKCCは、いまでは86グレイ以上の線量を照射しているが、日本には、そこまでの技術をもつ施設はないのではなかろうか。MSKCCのZelefsky氏の論文の abstractでは "75.6 to 86.4 Gy" と書かれている。藤野氏は2001年の論文発表の時期にはすでにMSKCCでは86.4 Gyで照射していることを認識していない文だ。
すなわち、論文のabstractすら読んでいないと思われる。
Stone氏の講演の記述(最高で81Gy)を当時の最高線量を81Gyと誤解したと思われる。
この投稿に関してはさすがに反応はあった。
2016年4月4日18時57分21秒 の投稿
この著書も小線源を受けられる、受けようとする方の大事なバイブル書に近い一つでありますことからご迷惑をお掛けしております。そしてその経過としまして眞さんはこの書が大切である事を願っておられるお一人でもいらっしゃるのでしょう。その思いが先方様にも伝わり補足、補充において改善があればいいですね。このように一部きりとって引用すると分かりにくいところがある。この投稿は私の投稿に対する反応とともに2016年4月4日16時58分21秒 の投稿に関する返事も兼ねている。この投稿は短いし、今の掲示板の大勢の意見を代表すると本人が思っているふしがあるので、全文、引用する。
盛んに、藤野の著書の内容について、書かれていますが、このサイトでは、とうでも良いことではないでしょうか。それより、むしろ、想いをともにして、癌に立ち向かっていくことではないでしょうかもちろん、どうでもいいと思う人がいてもいいし、そのように書くのは自由なので、Re:藤野さんのことという投稿で以下のように私は反応した。
私の藤野さんの著書の内容の投稿が「このサイトでは、どうでも良い」とお思いでしたら、ご自身の「想い」を投稿し、「その想いをともにして癌に立向って」いかれたらいいかと思います。
更にブログに書いた『前立腺ガン 最善医療のすすめ』との出会いと再読時の違和感、ブログに論評の連載を書き始めた経緯も掲示板に投稿した。
いずれにしろ、『前立腺ガン 最善医療のすすめ』を「大事なバイブル書に近い」ものと思っている人は私の書いたことは揚げ足とりにみえるだろう。
『前立腺ガン 最善医療のすすめ』を精読して、何が一等問題なのかがよくわかった。この本を医学書として読んではいけないということだ。藤野さんご自身、日本において極めてはやい時期に小線源治療で根治したことより、従来は主に低リスクが対象であった小線源治療を小線源+外照射+ホルモン療法、すなわちトリモダリティで高リスクに対しても治療対象としている病院があるということ、それもその治療が優良なことを主観的に述べたエッセーだとみなすべきだということだ。
すなわち『前立腺がん トリモダリティ物語』といった表題とすべきだ。
もちろん、このような物語を書くことは表現の自由であり、「ご自由に」としかいいようがない。
また、一見よくできたこの物語を読み、治療法を選択するのも選択の自由のなかでの話であり、そのことに関して特にコメントする立場にはない。
医学書風を装っているのが問題であり、その記述のおかしいことをいくら指摘してもこの本を愛読書としている人にはあまり関係ないだろう。
これから読もうとする人には少しある種「おかしげな本」ということが分かってもらえたらそれでいい。
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