それは、Googleで「トリモダリティ」を検索での第4位のハイリスク症例に対する密封小線源療法の可能性 前立腺がんの小線源療法 日本メジフィジックス株式会社を少し読んでいたら藤野氏の記述と同じ文をみつけた。次のように書いている。
Memorial Sloan Kettering Cancer Center(MSKCC)のDr. Michael Zelefskyは、中間~高リスク前立腺癌の場合、放射線療法の線量を上げるほど(最高で81Gy)優れた結果が得られることを明らかにしています。しかし81Gyであっても、まだ12%の患者では前立腺癌が残存していました(図7)。つまり、この限局性疾患の全てを根絶するには、81Gyでは不十分だったのです。藤野氏はP.149~P.150に以下のように書いている。
アメリカのメモリアル・スローン・ケタリングがんセンター(MSKCC)のDr.マイケル・ゼレフスキーは中リスクと高リスクの患者を対象に最高で81グレーを照射しても、12%の患者に前立腺ガンがのこったことを、2001年に明らかにした。先の日本メジフィジックス株式会社のページはStone氏の講演の紹介であり、該当の説明ではスライドの図7では出典として" Urol. 2001:166:876-81."と記載されている。
論文のabstractでは放射線治療後、生検を受けた人が251人 いて、を81 Gy、75.6 Gy、70.2 Gy 及び64.8 Gy 陽性になった人の人数、割合を提示している。高線量が好成績ということをいっているものだ。
そのfull text のTable2にはリスク毎の人数が書かれているようだ。(スライドの画像を拡大しても人数の詳細は分からない)
そしてTable2より、中間リスクと高リスクをあわせた割合の値が12%ということなのだろう。
当時は放射線治療後、生検をするのが一般的だったかどうかわからないが、その陽性である割合を提示して、中間リスク、高リスクにおいて81Gyでは不十分という独特なStone氏の解釈である。似たような論(「残存していました」と「のこった」とは表現は少し違うが)それは彼のオリジナルな考えだろうか。Stone氏のものは特別の解釈であり、藤野さん独自に考えたとは思えない。すなわち、Stone講演の文を参考にした、あるいはコピーした(文章を変えて)としか思えない。
同じ講演会でStone氏が言及した臨床試験RTOG 9202についても似たような表現を藤野氏はしている。ただし、藤野氏はRTOG 9202をRTOG-9209と間違えて書いている。
その詳細は私のサイトRTOG及びRTOG...正しい番号判明に書いた。
いずれにしろ、藤野氏の著作は何らかの元ネタがあり、それをうまく表現を変えることで書かれたもの(うまくできたパッチワーク)と思われてもしかたがない。外照射療法と長期ホルモン療法を併用する根拠となっている臨床試験番号を間違えるとは、それは間違えてはいけないものを間違えたとしかいいようがない。
--------- 以下4月7日追記
「Table2より、中間リスクと高リスクをあわせた割合の値が12%ということなのだろう。」と書いたが、具体的な計算結果であることがわかり、RTOG...正しい番号判明に「3月27日追記」という形で書いた。
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