その予約準備完了のメールがきたのは2014年6月28日だった。一緒に通知がきたのは副島輝人『日本フリージャズ史』(青土社)だった。
読了し、まあ、小線源治療もいいかなと思った。それは、藤野さんのいう最善医療が低線量率(LDR) 及び前立腺小線源治療または高線量率(HDR) 前立腺小線源治療という主張にある程度同意したというわけだ。そうして、立ち上げたサイトのリンク集ページにもこの本を載せた。それを去年の9月に別件で行った市内の居住地と違う図書館にあるのをみつけ、再度借り出した。一読、こんな本だったのかという感想だった。
リンク集の藤野さんの本は削除し、赤倉功一郎『前立腺がん』主婦の友社 を掲載することにした。赤倉氏の本は治療法に関して客観的に書き、ある治療法を重点的に書くといったことはないからだ。
今年に入り、再度借り出した。よみはじめ、「まえがき」でびっくり。やはりきちんとどこがおかしいか書く必要があると思った。少し継続して書くつもりである。
なお、私の借り出して読んだのは「2013年6月4日 初版第一刷発行」である。
手術の治療を選んだ人をこれほど悪しざまにいうことができることに驚く。小線源の治療が優れていることをいうのになぜ、手術のことを謗る必要があるのだろうか。長くなるが、引用する。
まえがき「この放射線治療ができる施設も多くはない。」と書いている。しかし、P.275に書かれている「現状では、トリモダリティは高リスク群Aにたいするもっとも確実とされる治療法だが、実施している施設は多くない」と書かれているトリモダリティ治療施設数と比較すると高リスクに対するトリモダリティ(トリモダリティを小線源+外照射+ホルモン療法とした場合)治療可の施設のほうが救済的(サルベージ)放射線治療可の施設より圧倒的に少ないと思う。
P.9
手術を受けて再発した患者は、救済的(サルベージ)放射線治療を受けるのが再発を
コントロールするひとつの方法だが、この放射線治療ができる施設も多くはない。また
救済的放射線治療の線量は、64~70グレーで、根治的放射線治療のような高い線量では
ないため、長期的には再々発のリスクが皆無ではない。
救済的放射線治療を受けられなければ、ホルモン療法と化学療法で延命をはかるしか
ないが、ホルモン療法にも化学療法にも有効期限という問題がある。ホルモン療法は半
数以上の患者で5年で効力を失い、早ければ2~3年で効かなくなることもある。
手術で痛い思いをしたうえに延命治療を受けざるをえない患者たちは気の毒だが、自分
の症状や治療法について十分な理解もなく、医師の勧める治療法を無自覚に受ける患者
側にも責任がないわけではないだろう。
更にホルモン療法の有効期限に関してどこからの引用か分からないが、私がホルモン療法による根治の可能性で紹介した金沢大学の並木氏の論文、並木幹夫他 ホルモン療法による根治の可能性 泌尿器外科 , 18(11): 1307-1313 2005は読んでいると思われるが、その論文との矛盾はあまり気にしないのだろうか。北陸の4大学(富山医科薬科大学,金沢医科大学,福井大学,金沢大学)およびその関連病院での結果及び全国7施設(筑波大学,昭和大学,群馬大学,岐阜大学,三重大学,大阪府立成人病センター,金沢大学)および,その関連病院でホルモン単独療法を行ったT1c-3の前立腺癌981例をまとめた2005年の論文である。
ちなみにドセタキセル(商品名「タキソテール」)のホルモン不応性転移性前立腺癌への適応拡大がなされたのは2008年8月29日である。
並木論文を読むと、「ホルモン療法は半数以上の患者で5年で効力を失う」といったことは書かれていない。全国7施設および,その関連病院の結果報告では5つのグループに分けているが、最も悪いグループでも癌特異生存率、8年生存率は75%である。
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