本もサイトも同じ値です 論文とは異なります ..PSA非再発率

いつのころからだろうか、主に物理的な意味合い(狭い部屋に場所がない)で本を購入しなくなったのは。
したがって、がん関係の本は一冊といえども購入していない。昨年末図書館より借り出した荒井陽一他 『名医が語る最新・最良の治療 前立腺がん (ベスト×ベストシリーズ) あなたに合ったベストな治療法が必ず見つかる!!』法研を手にとる。
IMRTに関しては千葉県がんセンター 放射線治療部部長(当時、現在は東京ベイ先端医療・幕張クリニック 院長 幡野和男氏が書いている。P.111に「2000年IMRT国内第1例を手がける」と書かれている。

P.108に次のように書かれている。
千葉県がんセンターでは、これまで前立腺がんの人にIMRTを500例以上実施しています。リスク分類でいうと、低リスクの人は小線源治療を選ぶ人が多く、IMRTを選ぶ人は少数です。グラフをみると、各リスクとも手術療法と比べて、勝るとも劣らない成績です。
高リスクのなかでも、前立腺の被膜外にがんが湿潤していて、PSAが20以上、グリソンスコアが8以上の場合をスーパーハイと呼んでいます。スーパーハイの場合は、8か月のホルモン療法とIMRTを組み合わせても、PSA非再発生存率は68%です。それで、スーパーハイの人に限り、IMRTの前後に2年間のホルモン治療を加えるようにしています。
グラフの5年PSA非再発は以下のように書かれている。(千葉県がんセンター放射線治療部のデータより)
低リスク:93.3%
中間リスク:98.3%
高リスク:90.4%

もちろん、医学論文ではないので、各リスク分類毎の人数、全体の数などは一切不明である。本の出版は2011年(平成23年)7月24日なので、2010年より前の患者が対象と思われる。

IMRT(強度変調放射線治療)/千葉県がんセンターには「2000年9月からこの治療を開始し、2009年11月までに前立腺癌450例に施行してきた」とのことで、この患者に対してのPSA非再発率は次のように書かれている。
「5年PSA無再発生存率でみますとLow,Intermediate,High Risk groupでそれぞれ93.3%,98%,90%であり、非常に良好な治療成績となっております。」

これは中間リスク1、高リスク、小数点以下が書かれていないが、ほぼ同じ値である。

千葉県がんセンターの小林将行氏を筆頭著者とする論文、 Kobayashi M, et al. Int J Urol. 2015 Feb 11.をみてみる。
2001年から2010年までのNCCN分類での中間リスク、高リスク、超高リスクの325人の患者が対象である。

5年PSA非再発率は以下のとおりである。
・中間リスク 95.9%
・高リスク  87.2%
・超高リスク 73.1%

対象年度、対象の患者も異なるが中間リスクは若干値が本、サイトより低い。
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