南清貴『じつは怖い外食』

南清貴『じつは怖い外食』ワニ・プラス を読了した。
食品に潜む危険性に関して外食の観点から書いたもので、そう目新しい事項はなかった。例えば、トランス脂肪酸については以下のように書かれている。
P.47
パティシュのいないホテルのケーキバイキング
有名ホテルのデザートバイキングに並ぶおいしそうなケーキ。だが、この裏事情を知っている人は絶対に、食べにはいかない。そのケーキはホテルの厨房でパティシュがひとつひとつ丁寧に作っているものではないからだ。おおかたは、外注され、工場で作られて冷凍で納品されている。そこで使われるクリームは1リットル1000円以下という最低レベルのもので、それでも生のクリームを使っていればまだしも、植物性のクリームもどきが使われることが多い。これには大量のトランス脂肪酸が含まれているので、それを知っていたらとても食べる気にはなれない。
トランス脂肪酸に関しては、更新日:2015年6月24日の農林水産省のすぐにわかるトランス脂肪酸を参照のこと。
さらに、よくネット上目にするヤマザキのパンに関しては以下のように書かれている。
P.89
山崎製パンでは、パン生地改良剤として「臭素酸カリウム」という食品添加物を使っているが、この臭素酸カリウムは、発がん性を指摘されて、一時は全面的に使用禁止になったものだ。
私は一度「(山崎製パンの)ランチパック」を買って、食べたことがあったが、不味くてそれ以降購入したことはない。
外食の場合、その食材の原価は3割程度ということはしっていたが、飲食店の経費の内訳を書いた以下の文は興味深かった。
P.44
経営という視点で飲食業をみた場合、構造としてはそれほど複雑なものではない。
食材原価 30%
人件費  30%
地代(家賃) 10%
水道光熱費  7%
減価償却費  8%
消耗品費   5%
どこの費用を下げるかというと安易に人件費を対象にしたのが、和民だろう。労務訴訟に関する和解成立のお知らせに書かれている「従業員に過重な業務を強いる」ことによる安い値段の提供であったので、そのような店が忌避されるのは至極当然なことだろう。
食材に関して妥協しなかった著者の開業したキヨズキッチンは存続しただろうか。
南 清貴|フードプロデューサー KIYO【公式】|ミナミキヨタカをみると特にリンクされていないので、閉鎖された可能性が高い。このページよりリンクされているブログの鎌倉にまつわるエトセトラに次のような記述がある。
そうそう、もう一軒、素敵な歯医者さんをご紹介しておきます。
鎌倉までは行けない、東京で、どこかいい歯医者はないの。。。という方には、ここがおすすめです。
『橋本歯科医院』 、ここの院長(女医さん)先生が、また素晴らしい。
ただお美しいだけではありません。この先生の考え方が、ほんとうに素敵です。
この勧めている歯医者さんを検索すると、JR大久保駅徒歩2分の歯医者さん 橋本歯科医院がみつかった。確かに院長紹介のページをみると好みにはよる(私はどちらかというとパスしたい)が美人である。ただ、詳細にみたわけではないが、保険診療がメインではないようだ。

本の最初に「精米改良剤」って、知っていますか?という表題で以下のように書かれている。
P.20
精米改良剤とは「液体プラスチック」とも呼ばれ、プロピレングリコールという石油精製によって作られる化学製品が主体になったものだ。
P.21
その精米改良剤中のプロピレングリコールが、薬事法では表示義務があるにもかかわらず、加工助剤として使われた場合には、表示義務がないのがなぜなのかは分からない。
表示義務がないと書かれているが、厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課長からの平成16年12月6日の通達、「精米改良剤」と称した食品添加物を使用した米の表示についてによると、「精米時に使用した食品添加物の表示も必要となります。」と書かれている。ただし、精米改良剤に関してによると、「周知徹底通知より一年経過後も未だ表示は徹底されず」ということのようだ。

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